いまだ原文にあたるチャンスがなく、湯原かの子さんの『絵のなかの魂 評伝・田中一村』<新潮選書>(新潮社 2006年)から引用して、このエントリーを締めくくることにしましょう。といいつつ、もうチョット続きますが……。
朝と夕に訪れる、昼と夜のはざま、暗から明に、明から暗に移ろうひととき。神々と人間が交感するひとときであり、神の啓示に耳を傾ける人にとっては、時計の針が止まる悠久の時間帯である。ギラつく陽光を忌み、静ひつな、まどろみに似た『隙』の時空に、苦痛のない極楽の世界をかいま見るという観念は、南島に成立した琉球文化に通底するものだという。
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