先に挙げた拙著『北斎と葛飾派』といえば、尊敬する哲学者・柄谷行人さんも忘れることが出来ません。若いころ柄谷さんの『隠喩としての建築』を読み、これはすごいことをいっている本だと思いました。しかしきわめて難解で、よく分りませんでした(笑) でも柄谷ファンになりました。
最近柄谷さんは、『朝日新聞』に「柄谷行人回想録 私の謎」を長期連載していますが、毎回「なるほど、そういうことだったのか」と思いながら拝読しています。
その柄谷さんの『探求Ⅱ』<講談社学術文庫>(1989年)を読んだのは、『北斎と葛飾派』を準備している最中でした。その第1部が「固有名をめぐって」だったので、改名30回説さえある北斎を考えるとき、何か参考になるんじゃないかとも思ったのです。
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