僕は編著者がとくに強調したかったという傍線部分を拾い読みするのではなく、興味をもったトピックを選んで読むことにしました。まず木々康子さんが執筆した「第Ⅰ部 史資料を通してみる林忠正の生涯」の「第4章 友人たち」から、「黒田清輝」を読んでみました。
黒田の遺言に基づき、遺産の一部で設立された美術研究所(東京国立文化財研究所)の元職員であり、黒田に関するエッセーを書いたり口頭発表をやったり、拙文をブログにアップしたことがある饒舌館長としては当然のことでしょう。木々さんは次のように述べています。
もっとも「本能的な欲望を、そのまま無条件に肯定するわけではなく、欲望を一度は空として否定したのち、それが持つ本来的な生命力を取り出し、そこではじめて欲望の全面的な肯定が成り立つ」そうです。こういう付帯条件をつけられると、僕などはヒドク混乱してしまうのですが、一義的には本能的...
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