「僕の一点」は瀧和亭の「菊石図」ですね。和亭のすぐれた描写テクニックが遺憾なく発揮されています。画品きわめて高きものがあります。とても佳い漢詩の賛が加えられています。いま近代南画の評価はけっして高くありません。いや、有り体にいえばかなり低いのです。
しかしこのような作品を見ていると、もう少しチャンと見直すべきではないかといった感慨にとらわれます。確かに鬼面人を驚かすようなケレンもありませんし、刺激的な派手さにも欠けています。しかも一般的には知名度の低い画家がほとんどですから、仕方がないのかも知れませんが……。
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