原派は原在中が開いた京都画派の一つで、岸派などとともに、円山四条派を中心とする京都画壇の一翼を担いました。長男の在正が、なぜか父在中の勘気に触れて別居したため、在明がその跡を継ぐことになったそうです。画技は父在中から学び、宮廷や公家社会を中心に活躍しました。花鳥図や有職図などの画題をもっとも得意としました。
可愛らしいネコのフォルムと毛描きには、当時人気を集めていた写生風が強く打ち出されています。その平明な画風は、成熟した京都市民社会をよく反映しているように思います。ネコは在明が得意とする画題であったらしく、寛政8年(1796)秋の東山新書画展観に「猫図」が出品されています。画家が覇を競う東山新書画展にネコ絵を出品した在明にとって、自負するところ大なるモチーフであったにちがいありません。
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