中唐・殷尭藩「端午の日」
若い時にはお節句で 華やぐ気分になったけど
歳とりゃ深い感慨が 生ずることを誰が知る
ヨモギの人形 門口に 飾る習慣 無視しつつ
菖蒲酒[しょうぶざけ]飲み世の平和 語り合いたいじっくりと
左右の鬢[びん]は白くなり 日ごと日ごとに目立ちだす
錦手[にしきで]みたいなザクロだけ 毎年おなじに実るけど……
千年からみりゃ人生は 賢者も愚者も一瞬で
人はほとんど忘れられ 名を残すのはわずかだけ
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