僕の経験では小樽である。小樽には多くの銭湯が残っており、かつて小樽市博物館では特別展「小樽の銭湯いまむかし」を開いて人気を集めたことがある。この博物館は歌川豊国の揃物「誠忠義士伝」を所有しており、それにちなむ特別展の講演に出かけたとき、有名なレトロ感覚あふれるホテルに泊まった。もちろんバスタブはあったが、やはり吹雪の中、近くの銭湯に出かけたのだった。
日本文化体験を深めるために、銭湯へは日本手拭いを持って行きたい。手拭いのデザインは、わが国生活美術を象徴するものの一つだ。もっとも手拭いだと、僕のような小さな体でも途中で二度絞らないと完全には拭けないから、機能的にはタオルの方がすぐれていることを認めざるを得ないのだが……。
*ここに登場する「あづま湯」さんも、画趣愛すべき愛子さんの俳画とともに紹介したことがあるような気がします。改装のため2年ほど休業していましたが、去年8月リニューアルオープンの日を迎えました。コロナ禍のためご無沙汰気味ですが、そのうち改めてオマージュを捧げることにしましょう。
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