劇作家にして文明評論家の山崎正和先生が19日、86歳でお亡くなりになりました。謹んで哀悼の意を表わすとともに、ご冥福をお祈り申し上げます。お会いしたことはありませんが、『世阿弥』に代表される室町ルネッサンス史観からとても大きな示唆を受けてきました。
昨日の『朝日新聞』に載る「評伝」は、編集委員の村山正司さんによって書かれています。旧満州で育ち、14歳で戻った日本文化の世界は、みずからの大陸的な感性とはかけ離れていたそうです。
そのせいでしょう、先生がはじめは「和歌などの伝統的文化にもなじめなかった」とおっしゃるので、村山さんが『世阿弥』は室町時代の話ではありませんかとツッコミを入れると、「室町時代はルネサンスにも似た近代的世界だったのですよ」と微笑んだそうです。
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