「不将不逆」はかの『荘子』にある言葉で、晋六氏はお父さんの轍次先生から教えてもらったにちがいありません。そこで先生の『中国古典名言事典』(講談社学術文庫)をひも解くと、『荘子』のところに、「将[おく]らず逆[むか]えず、応じて而して蔵[おさ]めず」とチャンと出てきて、晋六氏がお父さんを正しく引用していることが分かります。そのあとに続く轍次先生の解説も貴重ですから、これもそのまま掲げておくことにしましょう。
過ぎたことをなにかと悔やんだり、反面まだありもしないことを、いろいろとまえもって思い悩む。それはむだなことだ。ただ心をむなしくして、当面する問題に対処し、それが過ぎてしまえば、心の中はなにもなかったもとの状態にもどっているのがよい。
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