この夜から間もなくして、孫一元は友人の唐寅と出会い、身に携えていたこの摺扇を見せると、唐寅はその夜の舟遊びと語らいを想像し、また追和詩を書き加えました。ここに詩人・唐寅が登場するのです!! 先の拙文に僕は、吉川幸次郎先生の『中国詩人選集』第2集<元明詩概説>から唐寅の一首を引用しましたが、「平湖夜泛図」の五言律詩も軽やかで、すごくいいと思います。またまたマイ戯訳で……。
静かな夜に舟を出しゃ 涼風吹き来るマコモ田に
間遠に光る漁家の灯[ひ] 天まで伸びてるお墓の木
詩を詠むごとき虫の声 月光酒宴の舟へ射す
先生 貴兄を客にして いつもながらに楽しそう
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