饒舌館長
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2020年6月5日金曜日
石守謙「物の移動と山水画」(『國華』)12
南の四川[しせん]の渡し場に たそがれ時がやってくりゃ
家路を急ぐ人たちが 先を争い騒がしい
野中の寺から清らかに 間近に聞こえる鐘の声
岸辺の村ははるけくて 灯る漁火
[
いさりび
]
点々と……
空行く雁を見ていると 故郷の便り恋しくて
猿の鳴き声聞いてると 涙の痕
[
あと
]
にまた涙
遠く万里の我が旅路 小舟浮かべるこんな夜
秋の明月仰いでも たたえる言葉が浮かばない
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