静嘉堂のギンモクセイがいま満開のときを迎えています。いや、満開というのは桜にこそふさわしく、ギンモクセイにはちょっと合わない言葉のように感じられます。見ごろというのもピッタリこないし、旬というと魚を思い出しちゃうし、盛りというとネコみたいだし(笑)どうもいい表現が思い浮かばないので、「静嘉堂のギンモクセイがいま最高です!!」とでもいっておきましょう。
何といってもその香りです。樹形も気高く堂々としていますし、叢生する小さな薄黄色の花も楚々としていて心惹かれますが、あたり一体を包み込むような芳香にこそ、ギンモクセイの命があります。しかし芳香といっても、キンモクセイのような強烈さはありません。安い香水のような押し付けがましさがありません。
いまの子供はキンモクセイの匂いを模した芳香剤のせいで、本当のキンモクセイをトイレの木なんていうそうですが、いい得て妙です。
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