部屋をとり、シャワーをあびて、着替えをする。それから散歩に出る。ほんの少しだが偵察に出る兵士の心もちだ。ひと巡りしてもとの広場にもどってくる。とたんにその町と、なにやら縁ができたぐあいだ。あらためてまわりを見廻すと、噴水の水盤に顔が刻んである。頬をふくらませた幼な子と並び、智恵深い老人がいて、その口からも澄んだ水があふれ、白銀色の線を描いている。そんなふうにして町から町へ巡っていった。
実をいうと、これを「僕の一点」に選ばせてもらったのは、愛するハイデルベルクが登場するからなんです。はじめてこの町を訪れたのは1982年でした。
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