三菱一号館美術館「ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界 1780年パリに始まるエスプリ」<9月17日まで>
1780年パリで創業したあと、すぐナポレオンの皇后ジョセフィーヌの御用達ジュエラーとなったメゾン・ショーメは、世界に冠たる宝飾店ですね。日本にもブティックがありますが、残念ながら僕はお訪ねしたことがありません(笑)そのショーメが日本ではじめて開く特別展です。
1894年創建の三菱一号館を復元したこの美術館ほど、ショーメ展にふさわしい空間はないでしょう。重厚にして、かつ適度な広さだからです。会場に歩を進めれば、副題にあるごとく、パリのエスプリ――めくるめくようなパリのエスプリに眩暈を起こしそうな感覚にとらわれます。
といっても、僕が深く心を動かされたのは、ティアラやネックレス、ブローチなど、目もアヤなる宝飾品ではなく、そのデッサンの方でした。花をモチーフにしたデッサンのすばらしさを、どのようにたたえたらよいのでしょうか。カタログに「ショーメの植物学的自然」を寄稿した、ショーメ文化遺産部門名誉学芸員のベアトリス・ド・プランヴァルさんも、つぎのように述べています。
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