ここで取り上げるのが、第2章の「曜変天目の謎」です。詳細は本書をお読みいただくとして、日本限定現象は、古代中国における絶対的な存在である「天」と相容れないものとして起こった現象であるというのが、彭丹さんの結論です。
彭丹さんによれば、中国の製陶は、上古時代の神農、黄帝、舜など古代の聖人から始まったものとされています。したがって、製陶は陰陽五行の調和を象徴し、神聖な意味をもっていました。
しかし、この神聖な活動に、窯変という予測のできない異変が起こると、当然それは天意の現われであり、天から与えられた警告だと見なされます。したがって、窯変はどんな素晴らしく見えても、窯から出るなり砕かれる運命にありました。その変化が素晴らしければ素晴らしいほど、妖気だと見られたのです。
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