パナソニック汐留ミュージアム「開館15周年特別展 ジョルジュ・ルオー 聖なる芸術とモデルニテ」<12月9日まで>(10月23日)
パナソニック汐留ミュージアムは、ジョルジュ・ルオー作品のすぐれた蒐集でよく知られていますね。これにヴァチカン美術館やポンピドゥー・センター・パリ国立近代美術館、ルオー財団所蔵の作品などを加えて構成した、開館15周年を記念するにふさわしいジョルジュ・ルオー展です。併設されるルオー・ギャラリーでは、企画展とは別に、「ルオーの初期作品」というテーマ展が開かれています。
その中から新収品の「夜の風景 または よきサマリア人」を、「僕の一点」に選びたいと思います。紙に木炭、水彩、パステルを用いた作品だそうですが、ほとんど木炭だけで描いたのではないかと思われるほど、画面は黒々としています。
しかし眼を凝らすと、そこに現代の風景があらわれてきます。パリでしょうか。あるいはその近郊でしょうか。アパルトマンの日常生活、にょっきりと立つよく分からない近代的構造物、火を噴く工場の煙突?など、ルオーは時勢粧をヴィヴィッドにとらえています。
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