華鬘はもともとインドで、生花を糸や紐で連ねて首にかけた装身具から発展した仏具です。この風習は西域にもあったと言われていますが、やはり生花といえばインドでしょう。ところで、平安時代の代表的作品である教王護国寺伝来「迦陵頻伽文牛皮華鬘」や中尊寺金色堂の「迦陵頻伽透彫金銅製華鬘」を見ると、真ん中に結び紐のような飾りが表現されています。これを専門家は「総角あげまき」と呼んでいます。
総角はかつて生花を連ねて結んだ糸や紐の名残だとされています。はるか遠く古代インドの記憶が日本の華鬘にとどめられている――何と感動的な人間の営為でしょうか!! しかし室町時代の丹生都比売神社伝来華鬘になると、総角は消滅しています。あるいは絵馬のように、願をかけて奉納された華鬘だからなのでしょうか。

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