唐・柳巨源「折楊柳」<柳>
岸辺のヤナギ芽を吹いて 黄緑色の糸のよう
馬をとめたら君の手で 折ってもらおう一枝を
枝との別れ何よりも 惜しんでいるのは春の風
だから枝もつこの手まで 名残なごり惜しげに吹いてくる
中国において柳は別離のシンボル、旅行く人に一枝手折り無事を祈ってプレゼントしたようです。池大雅が王維の「元二の安西に使いするを送る」に霊感を得て描いた「渭城柳色図」(敦井美術館蔵)はよく知られるところです。このように画題にはなりましたが、習慣としては我が国に根付かなかったことが不思議に感じられます。
「折楊柳」は別離をうたう楽府題です。もともと漢の時代、楽府という役所で民間の歌謡を採集し歌ったものでしたが、唐代にはそのタイトルだけを取って新しく作詩するようになり、歌うことは廃れてしまいました。
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