去年『文画双絶 畸人水島爾保布の生涯』(白水社)を出版した前田恭二さんの爾保布第二弾です。痛快無比ーーコシマキには「政府はウソをつくもの」とあります!! 僕は自分が生まれた昭和18年の章から読み始めました。親父とお袋はこんな時によく生んでくれたなぁという思いを改めて強くしました。「改めて」というのは、永井荷風の『断腸亭日乗』を読んだときも抱いた感情だったからです。
両書を併せ読むのもおススメですね。例えば『統制百馬鹿』昭和18年の章には「藁人形を突け 丑の刻参りが街頭に」という項がありますが、『断腸亭日乗』昭和18年の章には、妻女竹槍訓練を揶揄した「噂のききがき」が出てきます。爾保布と荷風の眼差しは呼応しているように感じられますが、荷風の方は日記です。これを活字にしちゃった爾保布はやはりスゴイ‼
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