2025年10月31日金曜日

7日間ブックカバーチャレンジ⑦

 

 
 最近、傅益瑶さんと知り合いました。傅益瑶さんは僕も大好きな傅抱石画伯のお嬢さんです。1979年日本へ留学し、東京藝術大学で平山郁夫先生に師事されました。やがて水墨画を中心に大寺院の障壁画を製作するとともに、日本のお祭りをライトモチーフに選び、また芭蕉や一茶の俳句をイメージ化するなど、素晴らしい作品を発表され続けていらっしゃいます。
 この『水墨の詩』(鳳書院 2024年)は、傅益瑶さんの「初の作品エッセー集」です。一人の女性が言葉もよく分からない異国に留学し、その地に根を下ろし、画家として成長していく一代記として、興味深く読了しました。とくに最後の一節に、後期高齢者の僕は勇気をもらったのです。

 「老」は生きる喜びそのものです。「老」を忌み嫌い自身から遠ざけてしまっては、いたずらに若さを消費するだけの生き方になってしまいます。それでは生命の躍動を真に実感することはできません。

 


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