絵金ブームの発火点となった、昭和45年(1970)西武百貨店池袋店で開催された絵金展は見逃していますが、翌年渋谷の東急百貨店本展で開かれた「幕末土佐に生きた異端の絵師 絵金展」は見て、菱川師宣と鳥居清信に始まった歌舞伎絵が、ついにここまで来たのかと思いつつ、チョッと似ている猥雑な雰囲気(!?)漂う蒲田の家に帰ったことを、今でもよく覚えています。
しかしその後、とくに絵金について考えることも論じることもなく、ただ大久保純一さんの「絵金 幕末土佐の芝居絵」を読む機会に恵まれただけでした。というのは、辻惟雄さんが編集し、僕も「高橋由一 江戸絵画の視点から」という拙文を寄稿した『幕末・明治の画家たち 文明開化のはざまに』(ぺりかん社 1992年)に、その大久保絵金論が収められていたからでした。
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