結句は「銅雀春深うして二喬を鎖とざさん」というのですが、チョット補わないと意味がとれません。岩波文庫『中国名詩選』によると、二喬というのは呉の喬玄が授かった二人の娘で、ともに絶世の美女であったそうです。
ですから、もしも魏の曹操(武帝)が呉の周瑜や喬玄を打ちやぶっていたら、その美人姉妹は曹操の愛妾にされていただろう――というわけです。実際は曹操が周瑜に大敗を喫してしまったので、のちに姉(大喬)は孫策に嫁し、妹(小喬)は周瑜に嫁したそうです。これを補おうとして戯訳を考えていたら、起承転結結みたいになっちゃいました。愛妾は現代っぽく「愛人」にしてみましたが……(笑)。
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