〆は鈴木其一の代表作となっている「雪月花美人図」三幅対に登場してもらいました。手弱女振りの日本絵画をシンボリックに示して、益荒男振りの中国絵画と一線を画す二次元世界を生み出しています。
しかしその主題「雪月花」自体は、やはり中国に誕生した美の寓意であり、文学的表現であり、宇宙的観念でした。それを初めて詩歌に昇華させた白楽天の七言律詩「殷協律いんけいりつに寄す」を、マイ戯訳とともに紹介しながらカタログ巻頭エッセーの筆を擱くことにしました。もっともカタログなので、もとの詩も一緒に載せましたが……。
ちなみにこの殷協律とは、中唐の詩人・殷尭藩のこと、かつてその絶唱「端午の日」を紹介したことがあるように思います。
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