さらに中国語版も刊行されたとのことです。中国では、日本美術を中国美術の一地方様式くらいに思っている人が少なくないように思います。しかし、決してそうではありません。そうではないないどころか、中国美術の影響を受けつつも、それとは異なる美的特質があることを、本書が広く認識させてくれたにちがいありません。
現在、日中関係はきわめてむずかしい段階に差し掛かっているように思いますが、本書の中国版が、これまで以上に重要な文化大使としての役割を果たしてくれるよう、心から祈って止みません。
阿修羅像と岡本太郎の「痛ましき腕」と横尾忠則の「お堀」を大きくアレンジした横尾忠則さんの表紙も衝撃的でした。その表紙の背景は、いかにも横尾さんらしいマッキイロなのです。
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