かつて「蕪村の微光感覚」という拙論で取り上げたことがある作品ですが、このたび「行路の画家・蕪村」という観点から考え直し、来年1月20日発行される『國華』に拙文を寄せたところです。言うまでもなく、盛唐の天才詩人・李白の「峨眉山月の歌」からインスピレーションを受けて蕪村が一気呵成にものした作品です。
この七言絶句は、僕が中国語で暗唱できる数少ない漢詩のひとつです。それをつぶやきながら、時代を超えて蕪村と一心同体となったことでした。
それをまたまた饒舌館長の戯訳で……。結句は「君に会うこと叶わずに 下ってしまった渝洲まで」と訳すこともできますが、この君というのが友だちか、あるいは恋人か、議論があるようです。しかし饒舌館長はゼッタイ後者ですね(笑) 今日は12月24日――奇しくも蕪村の祥月命日です!!
峨眉山上に片割れの 月輪かかる秋の夜
平羌江[へいきょうこう]の水面に 映る月影流れてく
夜中に清渓出発し かの三峡へ向ったが
月を見ること叶わずに 下ってしまった渝洲まで
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