ちょっとエントリーが遅くなってしまいましたが、さる11月7日、静嘉堂文庫美術館「入門 墨の美」展を、新潟県漢詩連盟の方々が遠路はるばる観光バスで見にいらしてくださいました。こんなうれしいことはありません。すでにアップしたように、新潟は諸橋轍次先生のふるさとです。来館の皆さんが諸橋轍次博士記念館のため協力を惜しまないことに、心からの感謝を捧げたいと存じます。
浦木学芸員担当の展示を堪能の上お帰りくださいましたが、間もなく、会長の目耕斎佐藤海山さんから、墨痕淋漓たる丁重なお手紙をいただきました。畏れ多くも「河野元昭館長斧正」と款された七言絶句「三訪静嘉堂」とともに……。門を入って静嘉堂に至る坂道が髣髴としてきます。僕の戯訳とともに紹介させていただきましょう。
三徑未紅周鬱蒼 まだ紅葉[もみじ]せず静かなる 小道の周りは鬱蒼と……
豁然出現静嘉堂 パッと開けて突然に 出現したる静嘉堂
宛如金磬踏砂利 砂利踏み行けば「打石」[うちいし]とう 楽器の音によく似たり
一鳥飛翔庫上望 文庫の上を悠々と 飛び去る鳥を眺めてた
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