今年ニューヨーク・メトロポリタン美術館で開催された「源氏絵展」のために海を渡り、かの地でも人気を集めた俵屋宗達筆「源氏物語 関屋澪標図屏風」、さらに伝馬遠筆「風雨山水図」や太田切「和漢朗詠抄」など、合せて12点の国宝がすべて出陳されることになります。
それらの至宝名品をとおして、廃仏毀釈運動のなかで文化財を守り、我が近代国家の市民的教養を高めようと努力した、三菱と岩崎家の文化的社会貢献にも関心を向けていただければ、これにすぐる喜びはありません。とくに企業による社会貢献のことを、いまはフィランソロピーという英語でよくいうようですが……。ぜひ期待してお待ちいただきたいと存じます。
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