静嘉堂文庫美術館「明治150年記念 明治からの贈り物」<9月2日まで>プレス内覧会(7月18日)
ブロガー内覧会に続いて、今日は4時半からプレス内覧会です。挨拶を求められた僕は、先日の「マイベストスリー」を改めて紹介するとともに、「もう一つのベストスリー」をあげました。「マイベストスリー」が正統派の明治美術であるとすれば、「もう一つのベストスリー」は、「幕末明治奇想派」とでも呼びたくなるような作品です。
それは①菊池容斎の「呂后 戚夫人を斬る図」、②河鍋暁斎の「地獄極楽めぐり図」、③鈴木松年の「群仙図屏風」です。「呂后 戚夫人を斬る図」は中国・前漢の話です。高祖の皇后である呂后(呂雉)が、嫉妬から高祖の死後、その寵姫であった戚夫人を捕え、家臣侍女が見ている前で手足を切り落とし、いわゆる「人ブタ」とする、目を背けたくなるようなシーンです。
容斎の驚くべき画技が、そのリアリズムを担保していますが、異時同図法がその凄惨さをさらに高めています。『漢書』に伝えられる歴史的事実でありながら、4世鶴屋南北の歌舞伎世界と気脈を通じている点に、興味尽きないものがあります。
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