中田さんからは、とくに本阿弥光悦、尾形光琳、与謝蕪村、池大雅、葛飾北斎の5人を取り上げて欲しいといわれたので、おのおの2点の代表作を選んで下記のようなレジメを作りました。もっともそのあとに、この「饒舌館長」から引用した蕪村や北斎の拙文もちょっと加えたのですが、これはカットすることにしましょう。
キーワード
日本美術の素性 簡潔性 シンプリシティー 書画一致 文美融合 江戸時代
パクス・トクガワーナ 町衆 庶民 和漢 見立て 物語 説話 和歌 漢文学
能謡曲 俳諧 俳画
①本阿弥光悦「舟橋蒔絵硯箱」(東京国立博物館蔵)
東路のさのの舟橋かけてのみ思ひわたるを知る人ぞなき 源等
②本阿弥光悦・俵屋宗達「鶴金銀泥下絵三十六歌仙和歌巻」(京都国立美術館蔵)
藤原公任
若の浦に潮満ち来れば潟をなみ葦辺をさして鶴鳴き渡る 赤人
天雲に翼打ちつけて飛ぶ鶴のたづたづしかも君しまさねば 人麻呂
③尾形光琳「燕子花図屏風」(根津美術館蔵)
伝在原業平『伊勢物語』第9段・東下り
から衣きつゝなれにしつましあればはるばるきぬる旅をしぞ思ふ
世阿弥(金春禅竹)『杜若』
④尾形光琳「紅白梅図屏風」(MOA美術館蔵)
林和靖「山園小梅」 伝世阿弥『東北』
⑤与謝蕪村「夜色楼台図」(個人蔵)
万菴原資「東山に遊びて落花を詠ず」「中秋含虚亭の作」 李攀龍「宗子相を懐う」
⑥与謝蕪村「銀地山水図屏風」(MIHO MUSEUM蔵)
于済『聯珠詩格』
張籍「蛮州」
貴州の蛮州 水悪く 洞穴にまで流れ込む
それでも人は家を建て 桟道へんまで住んでいる
山はあるのに辺鄙ゆえ あるべき城も築かれず
州名書いた松の札 象州へ向き立つだけだ
周南峰「閩淅の分水界」
くずれた土塀の古い駅 長い歳月物語る
垣根が分かつ犬と鶏[とり] かつては一緒にじゃれたのに
東の家からちょっとだけ 西のお宅を訪ねれば
淅江人が福建へ つまり出かけたことになる
⑦池大雅「楼閣山水図屏風」(東京国立博物館蔵)
邵振先ほか「張還真翁祝寿画冊」
『岳陽風土記』張説の逸話 『酔翁亭記』欧陽脩の逸話
⑧与謝蕪村・池大雅「十便十宜帖」(川端康成記念館蔵)
李笠翁「十便十二宜詩」
⑨葛飾北斎「潮来絶句集」
狂歌絵本 狂詩絵本
⑩葛飾北斎「富嶽三十六景」
河村岷雪『百富士』 富士講 蓬莱思想 日蓮宗
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