06狩野一渓『後素集』
牡丹猫雀図 牡丹睡猫図 菜苗戯猫図 猫竹図 薄荷酔猫図 芍薬戯猫図
萱草戯猫図 石榴戯猫図 山石戯猫図 酔猫図 竹石戯猫図 芙蓉睡猫図
07祇園南海「猫を悼む」(『江戸詩人選集』3)
べっこう色の毛はソフト 生まれついてのおりこうさん
ネズ公出没しなくなり 夜も太平ぐっすりと……
もらって来てから一年も たたずに何で死んじゃった
あるいは僕の飼い方に 欠けていたのか愛情が
膝に抱かれてご主人に 甘えていたのを思い出す
縁側あたりで子供らを 呼んでいた声まだ聞こゆ
漢方烏薬[うやく]を飲ませたが 薬効なきを恨むのみ
牡丹の下に埋め 蘇生 願ったけれど無駄だった
襤褸[ぼろ]でくるんで丁重に…… 恩を謝したが何になる
ともしびの前 老人の まなこ涙でかすんでる
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