この「フランス人間国宝展」は、フランス人間国宝の認定を受けた13名と、「手の賢さに捧げるリリアンヌ・ベタンクール賞」という賞を受けた2名、計15名の工芸作家による作品およそ230件を紹介する、本邦初の特別展です。
フランスの美術や文化行政から多くを学んできた日本が、人間国宝という国家認定システムをフランスにはじめて教えてあげたんだという点に、僕は得も言えぬ誇りを感じるとともに、これで若干の恩返しができたような気持ちになります。
もちろん僕も初めて聞く名前、はじめて見る作品ばかりで、深く心を動かされましたが、わが国人間国宝の作品に比べると、やはり独創性や革新性、あついはアートとしての要素がすぐっているように感じられました。
「僕の一点」はジャン・ジレルさんの陶器です。ジレルさんは14歳で陶芸を初体験したものの、やがて画家になるための勉強を始めました。しかし1975年、28歳のとき、中国・宋代の陶磁器に深く心を動かされ、陶芸に集中することを決意します。2008年には、陶芸家である奥様と一緒にアトリエを開き、世界的活躍を続けています。
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