永田生慈さん北斎画を寄贈
先日の朝日新聞に、「北斎画千点 島根県に寄贈 川崎の研究者・永田さん」という記事が載りました。永田生慈さんとは、半世紀近くにわたり、仲良くさせてもらってきました。僕が東京国立文化財研究所につとめていたころ、歌麿・写楽同一人説で有名な(?)石田泰弘さんと、東京浮世絵研究会なるものを立ち上げたことがあります。
この研究会に永田さんは、最初から参加してくれました。永田さんはすでに仲間うちで北斎研究者として知られていましたが、北斗書房という本屋さんをやりながら、研究と収集に邁進していました。そのあと永田さんは、太田記念美術館のキューレーターとなり、目を見張る活躍を始めました。
とくに、フランスのギメ美術館から北斎の「龍図」を借り出して、離れ離れになっていた太田記念美術館の「雨中の虎図」と、100年ぶりに本来の双幅として展示した「ギメ美術館所蔵浮世絵名品展」は、美術界の話題を集め、たくさんの浮世絵ファンを原宿へと向かわせました。普通はスリッパに履き替える太田記念美術館ですが、このときはとても不可能で、シートを敷いて土足にしたというのは、よく知られたエピソードです。
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