朝飯前に又冷酒を小さいコツプに少量飲むと、食欲を増進する。食後横になってラヂオを聴く、とろとろと まどろむことも有る。起きて早朝執筆した草稿を清書することもあり、読書することも有る。午後は舌講に出かけることも有るが、人を訪問すること殆んど無く、散歩することも少ない。こうして出来たのが此の本である。
いいなぁ!! こういう文人生活に憧れてきましたが、優柔不断のため大学とか美術館とかいう俗事に紛れっぱなしで……。しかし酔迂叟先生、これって通常、一般的に、世間ではアル中と言うのじゃありませんか? 先生がお訳しになった酒顛――酒キチガイそのものじゃありませんか?
いや、僕の早とちり、そんなことはありません。なぜなら、アル中というのはただ酒をガブガブやるだけ、安酒でも駄酒でも飲んでりゃ桃源郷で、肴や料理にまったく興味がないからです。『酒の肴』や『華国風味』という名著を著わした先生は、食通中の食通、グルメ中のグルメ、美食家中の美食家です。
先に掲げた『酒の肴』の跋文を読めば、先生が肴や料理に対し、いかに強いコダワリをもっていたか、一目瞭然です。アル中であるはずがありません。
いやいや、ちょっと待ってください。アテの最高は塩であるという見立ては、やはりアル中のような感じもしますが!?
尊敬して止まぬ酔迂叟先生、失礼いたしました!!
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