単に美しいだけでなく、雨がやみ、天気がよくなっていく表象として、虹がたたえられているようです。あるいは、一瞬美しい姿を見せて、すぐに消えてしまう虹に、彼らははかなきものだけがもつ真の美を感じ取ったのでしょうか。
和歌だけではありません。俳句になると、中村草田男に「虹に謝す妻よりほかに女知らず」という一句があります。もちろん草田男は虹に感謝しているのであって、俺は不甲斐ない男だと、虹に謝っているのではありません!? 中国における「邪淫のシンボル」、つまり不倫の真逆ではありませんか!!
このような虹を忌むべきものと見なす思想ゆえに、虹彩鮮やかな曜変天目茶碗は中国で嫌悪されて国外追放に遭い、そのような伝統がまったくなかったわが国では、虹のごとく七色に輝く最高の茶碗として、きわめて高い評価を集めることになったというのが私見なのですが!?
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