出光美術館「仙厓礼讃」<10月28日まで>
出光美術館の世界に冠たる仙厓コレクションについては、改めて紹介するまでもありませんね。これまで開催された何回かの特別展のたびに、僕たちはその魅力に引き込まれてきましたが、今回の「仙厓礼讃」展は、後期高齢者になった僕にとって、とくに心に沁みるプロジェクトです。
担当キューレーター八波浩一さんが「老後の達人」と名づけたように、すばらしいご隠居生活を送った仙厓さんに照明をあてて、この企画を組み立てているからです。充実したカタログから、「ごあいさつ」の一部を引いておくことにしましょう。
ユーモア溢れる「禅画」で知られる禅僧・仙厓(1750~1837)。現在伝わっている作品のほとんどは、住持職を引退し、寺の境内の一隅にあった虚白院という隠居所で過した四半世紀の間に制作されています。しかも、隠棲は還暦を優に超えてからのことでした。実は住持職を引退した後の仙厓は、“ご隠居さん”として悠々自適な生活を謳歌した第二の人生があったのです。
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