「僕の一点」は、会場劈頭を飾る酒井抱一筆・亀田鵬斎書「退鋒老毛君瘞塚拓本」(筆の里工房蔵)です。文化10年(1813)建てられた碑で、桜餅で名高い長命寺にあるそうです。かつて拙文「抱一の伝記」「抱一の有年記作品」をまとめたとき、抱一関係の石碑も結構調べて言及したのですが、この碑のことはまったく知りませんでした。拓本で見るだけでも、書画そろった素晴らしい碑のようです。
この碑を再発見したのは、筆の里工房の特別研究員をもつとめる村田隆志さんです。その村田さんがこのカタログに詳しい解説を寄せていますので、すべてはそれにゆずることにしましょう。ご興味のある方はぜひご参照くださいね。
きわめて充実した特別展と開会式を堪能して、奥平さんと広島駅に向かいました。しかし心残りだったのは、直前に発症した盲腸炎――いまは虫垂炎というそうですが、そのドクター・ストップのために、安芸の銘酒をただの一滴も飲めないことでした(笑)
0 件のコメント:
コメントを投稿